レベル名: 相手を立てる表現
A:先週、企画内容変更の件で御社に連絡させていただいたのですが、もうお聞きになりましたか?
B:はい。上席から聞いております。もう少し大きな規模での企画を考えたいということですね。
会話文から、社外の取引先に対して「上司から聞いた」ことを伝える場面であると理解できます。上席は、ここでは上司の意味ですが、席順が上(つまり、地位や役職が上)という意味もあります。「聞いております」は「聞いています」の謙譲語で、話の聞き手(取引先)を高めています。また、この場面では、「聞いています」と言っても問題ありません。
A:お疲れさまです。開発部の鈴木です。来週の会議ですが、別の案件の出張と重なってしまっているため、誠に申し訳ないですが欠席させていただきます。後日、議事録にて内容を改めて確認させていただきます。よろしくお願いいたします。
B:会議欠席の件については、存じております。また後日、資料をお送りします。
「存じております」は「知っている」の謙譲語です。知っている対象が「もの」や「こと」の場合に使われる表現です。類語は「承知しております」です。主にクライアントとのメールや商談、社内外とのやり取りで用いられ機会が多い言葉です。
A:お世話になっております。サイバー株式会社の中田です。新商品開発の件に関して、現段階でのアイデアをまとめた資料を添付させていただきます。ご確認よろしくお願いします。
B:ホワイト株式会社の桜井です。ご連絡ありがとうございます。メールを拝見しました。明日中にお返事いたします。
「拝見する」は「見る」の謙譲語として使われます。「敬意をもって見る」という意味を持ちます。ここでは過去形の「拝見しました」が使われています。過去形といっても、だいぶ前のことではなく、直前に起こった事柄でも「拝見しました」と表現します。